ペパーミント
学名:Mentha Piperita
科名:シソ科
和名:西洋ハッカ
抽出部位:葉と花の先端部分
抽出方法: 水蒸気蒸留法
ノート : トップ◇ 歴史
ペパーミントは何千年も前から薬草として、特にその浸出液を消化器系の不調に使用されて
いました。ローマ人は宴の席では解毒効果を知ってかペパーミントで作った冠をつけて宴に
嵩じていたと記されています。ミント(Mint)の学名Menthaはギリシャ神話に登場する妖精
メンター(ミンテ)に由来するというのは有名な話ですが諸説は様々。
『冥界の王ハーデスの寵愛を受けた妖精メンター、それに激怒したハーデスの妻ベルセポネ
は小さな妖精を踏みつぶしてしまう。嘆き悲しむハーデスはメンタを自分の大好きな甘く爽
やかな香りのする植物の姿に変えた。』
こちらが有名ですが、他にも
『ベルセポネが呪いをかけてメンターは一本の植物の姿に変えられてしまった。
しかしその植物の天高く香る甘い芳香は遠くのハーデスの元に届くほどに強い香
りで人々にも愛され続けた。』
『ベルセポネの嫉妬に耐えられなくなったメンターは自らを植物の姿に変えてしまった。』
などなど。
◇ 注意
メントール成分が高く刺激性があるので皮膚と粘膜を刺激する恐れがあります。特に目のま
わりの使用は避けてください。妊娠中、授乳中、3歳以下の使用は控えた方がよいです。
◇ 効能
加温と冷却の相反する作用を持ち合わせたペパーミントは強く染み渡るような香りが活力を
与えてくれます。頭部をリフレッシュさせ、呼吸や消化機能、肌を引きしめる効果などがあ
ります。少量の使用で各機能のはたらきを高め、多量用いると落ち着かせる効果があります
が容量には十分の配慮が必要です。
*心に対するはたらき
ヒステリーを起こした時や強い怒りの感情を抱えている時、沸騰したお湯を冷ますかのよう
にスーッとクールダウンさせてくれます。緊張で縮こまったり疲労した心を緩め強壮し、元
気を与えてくれます。次のステージに移りたいのに腰が重くてなかなか進まない時、先に進
めずに足踏みしているような状態から新しい一歩を踏み出す勇気を与えてくれます。
*体に対するはたらき
ペパーミントの第一の働きはなんと言っても消化器系、特に胃に対する作用です。消化不
良や胃酸過多、げっぷを止めるのに役立ちますし、逆に鼓腸のような消化機能が停滞した
時、乗り物酔いなどの吐き気にも効果的です。あたたかいハーブティーを飲んだり腹部の
マッサージオイルに使うのもおすすめです。
足の疲れ、筋肉痛、肩凝りや首回りの凝りを感じている方にはマッサージオイルに数滴ま
ぜるのがとてもおすすめです。冷却効果が心地よい爽快感を与え血液循環やリンパの流れを
促し、老廃物を取り除く効果があります。
◇ マッサージオイルレシピ
植物油 小さじ1(5ml) ホホバオイルなどサラッとしたオイルがオススメ
精油 ペパーミント 2,3 滴
お風呂場で筋肉痛や凝りのの部位をマッサージし
そのままバスタブに入ってしまえば一石二鳥。
その際、顔や粘膜など刺激に弱い部分をマッサージ
した手で触らないよう注意してください。少し高濃
度でこれをすると本当にお風呂に入って良かっ
た。。!!と毎回思うほど本当に気持ち良いので夏
場のバスタイムにペパーミントはかかせまん。
あとはシャンプーに1滴垂らすのもオススメです。その際は髪の毛よりも頭皮にシャンプー
液が行き渡るように指の腹を使って頭皮を洗うのがポイントです。
ディフューザーなどを使って吸引すると痰や吠えるようなけいれん性の咳を鎮めるのに役立
ちます。副鼻腔炎や鈍い痛みを伴う頭痛の時には鼻腔の横(小鼻のわきからほお骨あたり)
やこめかみを精油を用いたオイルでマッサージすると効果的です。
お肌に対してはデオドラント効果やお肌を引き締める効果があるので少しの重曹にペパーミ
ントの精油を1滴垂らし、それを洗面器1杯の水に入れて冷たいおしぼりを作ったり、ベビー
パウダーに混ぜてお風呂上がりに使うのもオススメです。
消毒、抗菌効果に優れているので梅雨〜夏時期の衛生管理や消臭に役立ちます。アロマスプ
レーを作ってキッチンやお風呂場、トイレなどに置いて、気がついた時にスプレーするとお
部屋がほのかにいい香りに。シンクやバスタブを磨く時、重曹に1滴垂らすとお掃除タイムも
爽やかな空気で満たされます。
◇ おすすめのブレンド
柑橘系(特にレモン) ラベンダー クラリセージ
ローズマリー ユーカリプタス パイン ジュニパー
ジャスミン サンダルウッド ベンゾイン カルダモン
*ペパーミントはほんの1,2滴で他のオイルの香りを消してしまう程強い香りです。
特にブレンドした香りの最初の印象が随分変わります。
多めに使用しすぎると何だかスースーするな。。という印象しか残らない場合があるので注意が必要です。(経験者より)
*頭がカッカして寝付けない夜に
クラリセージ1 ペパーミント2 サイプレス3
*昨晩を後悔するほど二日酔いの朝
ペパーミント4 フェンネル2 レモン4 補足:大量の水を飲むこと / 熱いシャワー
*ピュアな子供心を取り戻したい時
レモン3 ペパーミント1 ベンゾイン 0.5
*乗り越えたい目標がある時
ライム3 ペパーミント1 カルダモン2
ここで注意していただきたいのはこのブログで紹介しているペパーミントと最近注目されている「ハッカ油」は違うものである、ということです。園芸店でペパーミント、スペアミント、アップルミント、パイナップルミントなどいろいろなものを見かけるようにミントはラベンダーのように何十種類があり、それぞれ含まれる成分や含有量も違います。
精油のペパーミントは「ペパーミント」から抽出されていているのに対し、ハッカ油は「日本ハッカ」から抽出されているものが殆どです。大きな違いは含まれるメントールの含有量でペパーミントは40%以上、ハッカ油は70%以上です。ということはスースーする刺激が全く違う、ということになるので使用する量も注意が必要です。メントールはアルコール類に分類されるのでアルコールが含まれる化粧品は刺激が強すぎて使えない、という敏感肌の方は特に注意が必要です。
(アルコールフリーと記載のある化粧品が本当にアルコールが入っていないのかどうかはさておき、ですが)
このブログで紹介しているのは「ペパーミント」の精油の使用方法ですのでご注意ください。