2013年7月15日月曜日

Geranium



ゼラニウム

学名:Pelargonium graveolens / Pelargonium odoratissimum
科名:フロウソウ科 
抽出部位:枝葉と花
抽出方法: 水蒸気蒸留法
ノート : ミドル











◇ 歴史

ヨーロッパでは家を守る厄除けの為に窓辺にゼラニウムを飾る習慣が何世紀も前からあるほ

ど悪霊を追い払うハーブとして親しまれてきました。南アフリカ原産のゼラニウムは17世

後半にイギリスに輸出され交配された後に19世紀になってからフランスやイギリスの植

民地に再輸出されはじめたそうです。特にフランスがゼラニウムの精油の商業的な生産に

力を入れ始めました。かつてルイ13世によってブルボン島と命名され、現在はレユニオン

島と呼ばれる南西インド洋に浮かぶ香りの島で大半が生産されるほか、エジプト、モロッ

コや中国などで生産されるゼラニウムの精油は石鹸や香水に良く用いられ、様々な芳香を

造するのに使用されています。






こちらは観賞用のゼラニウム
赤やピンクなど様々な
種類があります

ゼラニウムは別名をローズゼラニウムまたは

ニオイテンジクアオイともいいます。一般的

にはゼラニウムと呼ばれていますが観賞用の

ゼラニウム(フウロソウ属)とは別の植物です。

観賞用はパイナップル、ミント、アップル、

オレンジ、レモンやジンジャー、シナモンの

香りなどを持った沢山の種類があります。







精油はペラルゴニウム属 / フロウソウ科の植物から抽出されています。700以上の種類が

あるペラルゴニウムの中でも学名Pelargonium graveolens / Pelargonium odoratissimumとつけ

れたゼラニウムがアロマピーで利用されています。

ふちがギザギザして先がとがった葉をつけ、小さなピンク色花を咲かせるゼラニウム、

の枝を含む葉や花からオイルを抽出します。






Pelagonium はラテン語で「コウノトリ」を意味する

Pelagos から。ゼラニウムの花のつぼみはまるでつる

のくちばしのような形をしています。

graveolens は「強い香りの」odorantissimum は「非常に

香りのよい」という意味を持ちます。







◇ 効能

ゼラニウムは適度な鎮静作用と冷却作用、調整作用のあるバランシングオイルです。

神経系、生殖器系からお肌のトラブルなど特に女性には嬉しい効果が沢山あります。





◇ 注意

ホルモン系の働きを規則的に促す作用があるので妊娠初期は使用を避けた方がよいです。

中期、後期に使用する場合も十分注意が必要です。

ごく稀に、敏感肌の方は刺激を感じることがあります。





*心に対するはたらき

気持ちが落ち着かずソワソワしたり心と体がかけ離れているような不安定さを感じる時、

また怒りの感情で興奮し過ぎて我を失ってしまいそうな時には自分の中心軸を見つけ出し

心と体のバランスを取り戻させてくれます。

自信がなく内向的だったり鬱状態にある時には必要以上に鎮静させることはなく、気持ち

を明るく前向きにしてくれます。





*体に対するはたらき

副腎、視床下部に働きかけることでホルモンの分泌を促し、各機能を正常に近づける働き

があります。

リンパの流れを促し利尿作用と合わせて毒素や老廃物の排出を助けるのでくるぶしのむく

みやセルライト対策でマッサージに使用すると効果的です。また、体液の排出だけでなく

粘性を低下させて流れやすくさせるので循環器系の機能を強めてくれ、血行不良や静脈瘤

にも良いとされています。


自律神経の乱れからくるような乾いたような便秘と下痢を繰り返す過敏性腸症候群にも有

効です。

ホルモンバランスを整える作用があるところから月経前緊張症(PMS) や更年期障害で悩む

女性には是非使ってみていただきたい精油のひとつです。

PMSの症状(過食、イライラ、気分の浮き沈みなど)には排卵から月経までの間に集中的

に使用すると良いですが、同時に食事の栄養バランス(動物性たんぱく質をいつもより控

めにし、代わりに植物性たんぱく質を摂る、糖分を摂りすぎないなど)、睡眠時間の確保、

この点に気をつけるとかなりの効果が期待できるはずです。これは月経不順に悩む人にも

同様ですが月経痛の軽減ではありません。月経痛の軽減にはクラリセージやラベンダー、

カモミールローマン、カモミールブルーがおすすめです。冷却作用があることも合わせて

更年期のホットフラッシュ(ほてりやのぼせ)や動悸を落ち着かせてくれます。

いずれの場合も腹部や臀部、仙骨あたりのマッサージに使用したり、沐浴、芳香浴がおす

すめです。






お肌に対しては乾燥肌から脂性肌までどちらの肌質に対しても効果を発揮します。

皮脂バランスを調整し炎症を抑えて消毒する作用があるのでニキビ肌にも向いています。

ゼラニウムを使った化粧水やフェイシャルスチームがおすすめです。











赤ちゃんを運んでくるコウノトリという名前がついたゼラニウムの精油がホルモン系に

作用するというのはただの偶然でしょうか、それとも先人達は無意識下のうちに植物が持

つ作用に気づいていたのでしょうか。


強い刺激性や鎮静作用があるというよりはバランスを取る作用が高いゼラニウム、過度に

鎮めたり持ち上げたりすることなく自分のちょうど良い部分、ぐらついた感覚を自分の核

となる中心部分に戻してくれるような香りです。

どんな精油とも割と相性が良く、ローズと共通の化学成分を多く含んでいるのでフローラ

ル系でまとめるととても女性らしく優しい香り、ローズマリーやミンティですっきりした

香りの中に加えると華やかな印象がプラスされます。





何かにつまずいて次に進むのを恐れている時や防衛的になっている時にこの精油を使うと

自然な流れに身を任せながらそれまでの感情を解き放ち、新しい風を吹き込んでくれるよ

うな、そんな効果がゼラニウムにはあると思います。







◇ おすすめのブレンド


柑橘系 ローズ ローズマリー

クラリセージ マジョラムスイート ラベンダー 

パチュリ サンダルウッド ホーリーフ



*負の感情のループから抜け出したいとき

ローズマリー4 ゼラニウム2 パチュリ1


*落ち着きと安定を取り戻し、内なる強さと美しさを引き出してくれるブレンド

ベルガモット3 ゼラニウム1 パルマローザ1







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